ある番組で西田敏行さんの”お別れの会”の模様を映し出していた。その中、出演した数多くの作品の中から実に44年前のテレビドラマ『港町純情シネマ』の紹介があってびっくり。当時、ハタチの小生、毎週このドラマを欠かさず観ていた。回を重ねるうちに西田敏行さんの妹役、加代ちゃん(森下愛子)に、すっかり魅せられてしまった。


話はいったん脱線、いつもながら昔の話でご勘弁を。。コトは小生が読売新聞奨学生でハタチの学生だったころ。配達は世田谷の八幡山(はちまんやま)地区。原付バイクで朝・夕刊をそれぞれ500部、3時間かけて配っていた。その内の一軒に室田日出夫さん(故人)と言う知る人ぞ知る名俳優のお宅があった。室田さんは前述の『港町純情シネマ』に西田敏行さんの父役で出演していたこともあり、熱をあげていた森下愛子さん宛てに書いたファンレターを厚かましくも渡してくれるようお願いしてみた。手紙に添えて水玉模様のTシャツとネックレスもいっしょに。当時、新聞の購読料は集金のみで、室田さん家の集金は夜の希望だった。ムチャぶりのお願いなので、後楽園球場での巨人VS大洋戦の新聞勧誘用チケット2枚を持参した。ちょうど一杯やっていたらしく、ほろ酔い加減の室田さんはチケットに大喜び。「兄ちゃん、ちょっと待っててな。」そう言うとおもむろにカメラを持ってきて小生をパチリ。「せっかくだからよ、兄ちゃんの写真もいっしょに加代ちゃんに渡してやるからさ。」、、、翌月の集金時、「ほらよ、加代ちゃんから預かってきたぞ。やっぱ写真が効いたよな。」と豪快に笑った。室田さん、顔はチト怖いがとってもいい人。よもや、本人直筆の手紙で心は天にも昇る思い。「あ~、新聞奨学生で良かったぁ(涙)」。

手紙は便箋2枚。ビッシリ色んなことが書いてあった。今、凝っている音楽は『ウェザーリポート』とあったので、どんなものかと中古レコード屋に買いに行ったり。好きな香水は『ノエビアNo.5』、へぇ~、しからばと早速手に入れ、「ほわぁ~、これが加代ちゃんの匂いかぁ♡」などとアホなことをやっていた。宝物にしていたその手紙は悲しくも3.11震災で灰と化してしまった。その加代ちゃんこと森下愛子さんの現在は、小生も大好きな、あの吉田拓郎の三番目の奥さんなのだ。

グラビアは森下愛子さん26才の時。、、小生のコト、覚えてるかなぁ、そんな訳無いよな。